配送ルート最適化
車両管理システムによる配送ルート最適化とは
物流業の車両や営業車にとって、配送(顧客訪問)ルートの最適化は難しい問題です。総走行距離を最短にすべきなのか、積載率を最大にすべきなのか。また、ピックアップや配送の時間指定にどう対応するか、渋滞しやすいエリアや時間帯をどう回避するか。優先順位や考慮すべき要素が多いルートの最適化は、ベテランの配車スタッフの経験と勘が頼りでした。しかし近年は、車両管理システムのデータに基づいて、適正ルートを自動作成するアプリやサービスが登場しています。
ルート最適化アプリには、大別して以下の3種類があります。
- AIタイプ:これまでに蓄積した実走行データとGPSデータを元に、組合せ最適化や統計処理といったAI技術を使用して最適ルートを設定
- シミュレーションタイプ:車種や積載量、納品時刻、稼働時間などの条件を入力し、シミュレーションをおこなうことによって最適ルートを作成
- 動態管理タイプ:車両管理システムによって位置情報をGPSで取得し、リアルタイムでデータ化。運行状況に合わせて配車・走行指示をおこなう
上記のうち、車両管理システムと連携するルート最適化システムは、渋滞情報をはじめとする道路状況や、車両の位置をリアルタイムで取得するため、「今の状況」に即したフレキシブルな指示ができるといった特徴があります。
また、実際の走行ルートや所要時間が可視化できるため、設定したルートの検証と業務効率化が可能であることも、この方式の大きな特徴です。
配送ルート最適化機能のメリット・デメリット
管理者編
管理者にとってのメリット
- 人を選ばない:ベテランスタッフの経験と勘に頼っていた配車が、誰でもできるようになる
- 業務効率化:ベテラン配車スタッフであっても多くの労力を要した作業が大幅に効率化される
- 臨機応変:急なオーダーが入った場合も、車両の現在位置から再計算が可能
管理者にとってのデメリット
- コストがかかる:機器購入・レンタル費用やサービス利用料が必要になる
ドライバー編
ドライバーにとってのメリット
- 安定運行:道路状況などに応じてルートが修正できるので、安定的な運行が可能になる。時間が押して休憩が取れないといった事態も避けられる
- 安心・安全:渋滞の影響で納品時間に間に合わないリスクが抑えられるので、無理な運転をする必要がなくなる
- 労働環境の改善:効率的で無理のないルート設定によって帰着時間の遅れが減り、超過労働を避けられる
ドライバーにとってのデメリット
- 不自由さ:ドライバーの裁量に任されていた迂回まで、システムに管理されるようになる
- ストレス:常に位置情報を把握され、監視を受けているようなストレスを感じる可能性がある
配送ルート最適化ができる車両管理システムの例
SmartDrive
クラウド車両管理サービス「SmartDrive Fleet」は、GPSによるリアルタイムの車両管理から細かな安全運転の支援までを丸ごとサポートするサービスです。
使い方も簡単なのでドライバーの負担は0。クラウド型サービスで、取り入れやすい安価な価格も魅力です。走行ルートを始め、ドライバーの走行データも収集し蓄積。もちろん荷待ち時間もしっかりトラッキングされていますので拘束時間や休息期間なども含め、最適化への近道を探ります。
まず、現状の走行ルートを見直して改善点を見直すことで、より効率的な配送が可能になるかもしれません。
※引用元:SmartDrive公式HP(https://smartdrive.co.jp/fleet/useful-info/truck-route-optimization/)
Cariot
「どのような順番で、いつまでに目的地へ到着すべきか」という「配送計画」をCariot上で立てられます。配送計画に沿って「どこまで配送したか」も確認できます。
※引用元:Cariot公式HP(https://www.cariot.jp/function/)
✔ドラレコなど車両管理システムの他の機能もチェック
導⼊実績が豊富なAI 搭載ドラレコ 3 選
これからの車両管理システムには、安全管理機能が必須です。
そこで、ここではすでに多くの企業で導入されている実績豊富な3つのAI搭載型のドライブレコーダーを紹介します。
それぞれタイプが異なるので、導入の参考にしてください。
管理範囲 | 動態管理 | 安全管理 |
---|---|---|
運転者認証 | 顔認証(自動) | |
データ閲覧 可能な人 |
管理者 | 運転者 |
アルコール チェック |
連携・一元管理 | |
プラン | 購入 | レンタル |
トライアル | 2ヶ月可 (台数による) |
特徴
- 精度の高いAIが本当に危険な運転だけを検出・可視化。管理者の確認負荷を減らし効果的な指導ができる。機能は随時追加。
- 他製品には少ない「本人への週次レポート通知」により、運転者の自覚を促し安全意識を高め、未然の事故防止を実現する。
運営会社
GO株式会社
管理範囲 | 動態管理 | 安全管理 |
---|---|---|
運転者認証 | 免許証 | |
データ閲覧 可能な人 |
管理者 | 運転者 |
アルコール チェック |
オプション | |
プラン | 購入 | レンタル |
トライアル | 2週間可 |
特徴
- 安全管理の「Safety」、動態管理の「NEXT」、アルコールチェック、物流・バス向けなど、必要に応じて連携が可能。
- AIで危険運転を警告し事故回避をサポート、日常運転も含めた全走行データを収集、事故や危険運転の映像を直ちに再生可能。
運営会社
エヌ・ティ・ティ・
コミュニケーションズ株式会社
管理範囲 | 動態管理 | 安全管理 |
---|---|---|
運転者認証 | 顔認証(自動) | |
データ閲覧 可能な人 |
管理者 | 運転者 |
アルコール チェック |
要問合せ | |
プラン | 購入 | レンタル |
トライアル | 要問合せ (代理店による) |
特徴
- アメリカのコンピュータービジョンとAI事業を展開する企業で開発された製品。日本ではオリックス自動車などが代理店販売。
- 2~3カ月ごとにアルゴリズムを更新し精度向上を図る。他製品には少ない「携帯電話保持」「運転者の喫煙」検知機能がある。
運営会社
Nauto Japan合同会社
【選定について】2022年12月1日Googleにて「AIドラレコ」で検索、50位以内に公式サイトが表示されたのは10製品。そのうち、実際にAIを搭載している製品は7製品(2022年12月1日調査時点)。7製品の中から導入実績(※)がわかる3製品を紹介しています。
※導入実績
・LINKEETH(旧:docoですcar):2022年12月調査時点において公式にて「3,000社・10万台を超える実績」と記載あり。
(安全管理を行うsafetyだけでなく、docoですcarすべてのシリーズを合わせた総数)
・DRIVE CHART:プレスリリースサイト(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000143.000030664.html)にて、2022年7月時点で「累計約4万台」と発表。
・nauto(ナウト):2022年12月調査時点において公式にて「日本国内で500社以上」と記載あり。