運転日報の自動作成
車両管理システムによる運転日報の自動作成機能とは
車両管理システムは、走行ルートや距離、時間といった運行データを取得・保存しています。これらのデータは、運転日報として出力することが可能です。
社用車を使用した社員は、使用時間や訪問先を日報にまとめて提出。管理部門は、提出された日報を表計算ソフトに入力する。このような作業が、多くの会社でルーティンとなっています。1日あたりの作業量は15分程度だとしても、1カ月では5時間という時間が、日報作成に費やされている計算です。
また、書類で提出された日報をチェックして、表計算ソフトに入力する作業には、転記ミスのリスクがあります。何人ものドライバーの日報を入力し、ダブルチェックをおこなう管理部門の負担も、大きなものです。
通信型ドラレコやテレマティクスを活用すれば、日報や月報の作成が自動化され、社員の負担やミスの可能性を減らせます。さらに、ドライバー・車両ごとに走行距離や燃費を比較できるなど、業務改善につなげることも可能です。
走行記録はそのまま社員の行動履歴となるため、人の記憶に頼るより正確ですし、データは自動的にサーバーにアップ・管理されるため、改ざんもできません。
運転日報の自動作成機能のメリット・デメリット
管理者編
管理者にとってのメリット
- 工数削減:AIドラレコが走行データを自動的に収集し、運転日報を作成するため、管理者は手動でのデータ入力作業から解放されます。これにより、日々の業務負担が軽減され、他の重要な業務に集中できます。
- ミス防止:手作業によるデータ入力は、転記ミスや記入漏れのリスクが伴います。自動作成機能を活用することで、これらのヒューマンエラーを防止し、正確なデータ管理が可能となります。
- 業務効率化:ドライバーや車両ごとの走行距離、燃費、運転傾向などのデータが自動的に集計・比較できるため、業務改善のための分析が容易になります。これにより、効率的な車両運用やコスト削減策の立案が可能です。
- 改ざん防止:AIドラレコやテレマティクスが取得したデータは、リアルタイムでサーバーにアップロード・保存されるため、データの改ざんが困難です。これにより、信頼性の高いデータ管理が実現します。
- 安全管理の強化:AIドラレコは、わき見運転や居眠り運転などの危険運転をリアルタイムで検知し、ドライバーに警告を発します。これにより、事故の未然防止につながり、全体的な安全管理が強化されます。
管理者にとってのデメリット
- コスト:AIドラレコや関連機器の導入には、初期費用やサービス利用料が必要です。特にAI搭載モデルは高機能である分、従来型のドライブレコーダーやテレマティクス機器と比較してコストが高くなる傾向があります。
- データ管理の負担:大量のデータが自動的に収集されるため、その管理や分析には適切なシステムやスキルが求められます。データの活用方法を確立しないと、情報過多となり、かえって管理が煩雑になる可能性があります。
ドライバー編
ドライバーにとってのメリット
- 工数削減:手書きや手動入力による運転日報作成の手間が省けるため、ドライバーは本来の業務である安全運転や顧客対応に集中できます。これにより、業務効率が向上し、ストレスの軽減にもつながります。
- 省力化:直行直帰や複数の訪問先がある場合でも、AIドラレコが自動的に走行データを記録・報告するため、報告業務の手間が大幅に削減されます。
- 業務改善:自身の運転傾向や行動履歴がデータとして可視化されることで、運転技術の向上や業務プロセスの見直しが容易になります。これにより、安全意識の向上や業務効率化が期待できます。
- 安全性の向上:AIドラレコは、危険運転を検知するとリアルタイムで警告を発するため、ドライバーは即座に運転を修正できます。これにより、事故のリスクが低減し、安全な運行が促進されます。
ドライバーにとってのデメリット
- ストレス:AIドラレコは車内外の映像や運転データを詳細に記録するため、ドライバーは常に監視されていると感じる可能性があります。これが心理的な負担となり、業務に対するモチベーションに影響を及ぼすことも考えられます。
- プライバシーの懸念:運転中の行動や会話が記録されることで、プライバシーに対する不安を抱くドライバーもいます。これに対しては、データの取り扱いや閲覧権限に関する明確なポリシーを策定し、ドライバーに説明することが重要です。
ドライバーにとってのデメリット
- ストレス:すべての行動が詳細な日報として可視化されるため、監視されているように感じる
- 精度の高いAIが本当に危険な運転だけを検出・可視化。管理者の確認負荷を減らし効果的な指導ができる。機能は随時追加。
- 他製品には少ない「本人への週次レポート通知」により、運転者の自覚を促し安全意識を高め、未然の事故防止を実現する。
- 安全管理の「Safety」、動態管理の「NEXT」、アルコールチェック、物流・バス向けなど、必要に応じて連携が可能。
- AIで危険運転を警告し事故回避をサポート、日常運転も含めた全走行データを収集、事故や危険運転の映像を直ちに再生可能。
- アメリカのコンピュータービジョンとAI事業を展開する企業で開発された製品。日本ではオリックス自動車などが代理店販売。
- 2~3カ月ごとにアルゴリズムを更新し精度向上を図る。他製品には少ない「携帯電話保持」「運転者の喫煙」検知機能がある。
手書きの運転日報のデメリット
1. 読みづらさや誤記の多さ
ドライバーごとに筆跡が異なり、急いで記入すると文字が乱れることがあります。その結果、管理者が内容を確認する際に時間がかかり、正確な情報把握が難しくなることがあります。
2. 記憶に頼るため正確性に欠ける
多くのドライバーは、1日の業務終了後に運転日報をまとめて記入します。この方法では、業務の一部を忘れてしまったり、曖昧な記憶に基づいて記載するため、情報の正確性が低下する可能性があります。
3. 手書き作業による時間の浪費
手書きでの運転日報作成は時間がかかり、ドライバーの中には毎日30分近くを費やしているケースもあります。月に20日稼働すると、合計で10時間もの時間が日報作成に充てられる計算となり、本来の業務以外に時間を割く必要が生じ、残業やストレスの原因となることもあります。
4. データ集計時の時間とコストの増加
管理者は、各ドライバーの手書きの日報を確認し、Excelや管理ツールに入力してデータをまとめる必要があります。ドライバーの人数が多いほど、この作業は負担となり、時間とコストが増大します。
運転日報の自動作成機能ができる車両管理システムの例
KITRO
運行管理システムを導入すると、アダプタなどの車載器から取得した運行情報(走行距離・走行時間など)を基に、運転日報を自動で作成することができます。
運行管理用のスマホアプリを使うことで、ドライバーは一日の作業実績を簡単に入力できるようになります。ここでいう作業実績とは、乗車時刻、降車時刻、休憩、荷積みなどのことです。アプリによっては、給油などの情報も入力でき、入力した情報を運転日報に自動反映できます。
運行情報とドライバーの作業実績は、クラウド上に蓄積されます。パソコンからインターネットに繋ぐことで、いつでもどこからでも日報を出力することができます。
※引用元:KITRO公式HP(https://blog.kitaro-sdp.com/creating_dailydrivingreports_is_a_telematics_service/)
DRIVE CHART
日報・月報が、DRIVE CHARTのWEB画面上で自動作成されます。必要なタイミングでダウンロードをするだけで、アルコールチェッカーなど別途取り込んだ外部データも含む資料として印刷したり、そのままデータとして管理できます。
走行距離や時間・訪問先が自動で書き出しされるため、運転者が作成する負担や管理者・総務担当者がチェックする工数が大幅に削減できます。また、手動作成の場合の記入間違いや漏れ、不正の心配もなく、少ない手間で正確な管理が可能となります。
※引用元:DRIVE CHART公式HP(https://drive-chart.com/features/simple_reports)
LINKEETH(旧:docoですcar)
GPSを内蔵したドライブレコーダーなら走行時間や走行距離、走行位置などの運行データが記録されています。運行データを活用することで、安全運転管理者にとって手間のかかる業務である「運行日報の作成・管理」を効率化することができます。
部署ごと/車両ごとに、日次で情報を出力します。管理画面で確認できるほか、CSVデータで出力・保存が可能です。給油量や高速道路料金を別途入力することにより、CO2排出量や燃費も自動計算されます。
※引用元:LINKEETH(旧:docoですcar)公式HP(https://www.ntt.com/business/services/docodesucar/driverecorder/column/20181009-01.html)
SmartDrive
エンジンスタートからエンジンオフまでを一走行として、その日にあった複数の走行を一日単位にまとめます。各走行の距離・時間・ルートを一目で確認することが可能になり、行き先やメモはタイムリーに追加・修正することができます。
ドライバーごとの走行データは一日単位で自動集計されます。デバイスを設置して走行するだけで、運用の手間をかけずに運転日報が自動作成されます。
※引用元:SmartDrive公式HP(https://smartdrive.co.jp/fleet/service/function/daily-driverslog/)
✔ドラレコなど車両管理システムの他の機能もチェック
導⼊実績が豊富なAI 搭載ドラレコ 3 選
これからの車両管理システムには、安全管理機能が必須です。
そこで、ここではすでに多くの企業で導入されている実績豊富な3つのAI搭載型のドライブレコーダーを紹介します。
それぞれタイプが異なるので、導入の参考にしてください。
管理範囲 | 動態管理 | 安全管理 |
---|---|---|
運転者認証 | 顔認証(自動) | |
データ閲覧 可能な人 |
管理者 | 運転者 |
アルコール チェック |
連携・一元管理 | |
プラン | 購入 | レンタル |
トライアル | 2ヶ月可 (台数による) |
特徴
運営会社
GO株式会社
管理範囲 | 動態管理 | 安全管理 |
---|---|---|
運転者認証 | 免許証 | |
データ閲覧 可能な人 |
管理者 | 運転者 |
アルコール チェック |
オプション | |
プラン | 購入 | レンタル |
トライアル | 2週間可 |
特徴
運営会社
エヌ・ティ・ティ・
コミュニケーションズ株式会社
管理範囲 | 動態管理 | 安全管理 |
---|---|---|
運転者認証 | 顔認証(自動) | |
データ閲覧 可能な人 |
管理者 | 運転者 |
アルコール チェック |
要問合せ | |
プラン | 購入 | レンタル |
トライアル | 要問合せ (代理店による) |
特徴
運営会社
Nauto Japan合同会社
【選定について】2022年12月1日Googleにて「AIドラレコ」で検索、50位以内に公式サイトが表示されたのは10製品。そのうち、実際にAIを搭載している製品は7製品(2022年12月1日調査時点)。7製品の中から導入実績(※)がわかる3製品を紹介しています。
※導入実績
・LINKEETH(旧:docoですcar):2022年12月調査時点において公式にて「3,000社・10万台を超える実績」と記載あり。
(安全管理を行うsafetyだけでなく、docoですcarすべてのシリーズを合わせた総数)
・DRIVE CHART:プレスリリースサイト(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000143.000030664.html)にて、2022年7月時点で「累計約4万台」と発表。
・nauto(ナウト):2022年12月調査時点において公式にて「日本国内で500社以上」と記載あり。