貨物軽自動車安全管理者の業務はシステムで効率化できる?
2025年4月施行の法改正で、営業所ごとに「貨物軽自動車安全管理者」の選任が義務付けられました。業務記録や点呼など大きな負担を軽減する、車両管理システムやAIドラレコの活用法を解説します。
貨物軽自動車安全管理者とは?
制度創設の背景と施行スケジュール
近年、EC市場の拡大に伴い軽自動車による運送需要が増加しています。一方で、平成28年から令和5年にかけて保有台数1万台当たりの事業用軽自動車による死亡・重傷事故件数は約4割増加しました。こうした事故の増加を背景に、国土交通省は軽貨物運送事業における安全対策の強化に乗り出しました。
新制度は、2024年5月15日の公布、同年10月1日の改正省令公布を経て、2025年4月1日より施行されます。これに伴い、貨物軽自動車運送事業者には安全管理者の選任が義務付けられます。なお、既存の事業者(2025年3月末までに経営届出を行った事業者)については、選任までに2027年3月31日までの猶予期間が設けられています。
引用元:国土交通省|貨物軽自動車運送事業者の安全対策が強化されました[※PDF](https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001986070.pdf)
選任要件と貨物軽自動車安全管理者講習
貨物軽自動車安全管理者に選任されるためには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。まず、選任の日前2年以内に「貨物軽自動車安全管理者講習(5時間・手数料3,700円)」を修了していることです。または、同講習を修了し、かつ選任日前2年以内に定期講習を修了していること、あるいはすでに一般貨物自動車運送事業等で運行管理者として選任されている者が該当します。
講習は、国土交通大臣の登録を受けた講習機関で受講可能で、現時点では独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)が登録機関となっており、PC・スマートフォン・タブレットで受講できるeラーニング形式(eナスバ)で提供されています。
引用元:自動車事故対策機構 ナスバ(交通事故)|貨物軽自動車安全管理者講習(https://www.nasva.go.jp/fusegu/kamotsu_kousyu.html)
引用元:国土交通省|物流・自動車:登録貨物軽自動車安全管理者講習機関の一覧(https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk2_000173.html)
貨物軽自動車安全管理者の主な業務内容
貨物軽自動車安全管理者は、安全運行を確保するために多岐にわたる業務を担います。具体的には、法定労働時間を考慮した乗務割の作成、運転前後のアルコールチェックによる酒気帯び運転の防止、点呼の実施およびその記録・1年間の保存が求められます。
さらに、運転日報の記録・1年間の保存、事故発生時の記録・3年間の保存、運転者台帳の作成、毎年実施する指導・監督の記録・3年間の保存、初任運転者等に対する適性診断の実施などがあります。項目に含まれた業務を適切に遂行する必要があります。
新制度で義務化されるのは、安全管理者の講習受講、営業所ごとの選任および運輸支局への届出、特定の運転者への特別な指導と適性診断の受診、業務記録の保存、事故記録の保存、重大事故時の国土交通大臣への報告の6項目です。
安全運転管理者・運行管理者との違い
貨物軽自動車安全管理者と、安全運転管理者や運行管理者は、対象となる事業者や法的根拠が異なります。貨物軽自動車安全管理者は「貨物軽自動車運送事業者」を対象とし、貨物自動車運送事業法に基づき国土交通省が管轄します。
一方、安全運転管理者は一定台数以上の自動車を使用する事業所が対象で、道路交通法に基づき警察庁が管轄します。運行管理者は、一般または特定貨物自動車運送事業者等を対象とし、貨物自動車運送事業法・道路運送法に基づき国土交通省が管轄します。
これらを車両のナンバープレートで区別すると、貨物軽自動車安全管理者は黒ナンバー(事業用軽貨物)、安全運転管理者は白ナンバー(自家用自動車)、運行管理者は緑ナンバー(事業用普通貨物など)を管理する役割となります。
車両管理システム・AIドラレコで解消できる業務の悩み
業務記録・点呼・アルコールチェックの自動化
安全管理者の業務負担を軽減するためには、車両管理システムの導入が非常に有効です。アルコールチェック機能を利用すれば、測定結果が自動でシステムに記録・保存され、実施漏れや不正を防止できます。
また、日報類のデジタル化機能により、走行ルートや距離、時間が自動で記録されるため、手書きの手間が省けます。動態管理機能や稼働状況集計機能を組み合わせることで、リアルタイムな車両管理と運行効率の向上が実現します。
乗務前・乗務後の点呼では、酒気帯びの有無やドライバーの健康状態、車両の日常点検結果などを確認し記録を残す必要があります。これらをシステムで一元管理することで、法令で定められた1年間の記録保存を簡単かつ確実に行うことができます。
事故記録・報告と再発防止をAIドラレコが支援
事故発生時は原因や再発防止策など8項目の記録を作成し、3年間保存する必要があります。死傷者を生じた事故等の重大な事故については、30日以内に運輸支局等を通じて国土交通大臣へ報告する必要があります。加えて、2人以上の死者を生じた事故など特に重大なケースについては、24時間以内に運輸支局等へ速報しなければなりません。
AIドラレコを活用すれば、事故時の映像やデータが自動保存されるため、正確な状況把握と迅速な報告書作成が可能となり再発防止に役立ちます。
ドライバー教育・適性診断・稼働状況の見える化
初任運転者、65歳以上、事故惹起運転者に対しては、特別な指導と適性診断の受診が義務付けられ、「貨物軽自動車運転者等台帳」の作成が必要です。AIドラレコを活用すれば、急ブレーキ等の危険運転を検知し個別の運転傾向を可視化できるため、具体的なデータに基づく効果的なドライバー教育を実現できます。
まとめ
貨物軽自動車安全管理者は、2025年4月施行の改正貨物自動車運送事業法で新設された役職で、営業所ごとの選任と講習受講が必須です。業務記録は1年、事故・指導記録は3年の保存義務があり、点呼、アルコールチェック、適性診断、国交省への事故報告など、守備範囲の広さが現場の負担となります。車両管理システムとAIドラレコを組み合わせれば、記録の自動化と危険運転の可視化により、法令対応と現場の負担軽減を同時に実現できます。
AI 搭載ドラレコ 3 選
これからの車両管理システムには、安全管理機能が必須です。
そこで、ここではすでに多くの企業で導入されている3つのAI搭載型のドライブレコーダーを紹介します。
それぞれタイプが異なるので、導入の参考にしてください。
| 管理範囲 | 動態管理 | 安全管理 |
|---|---|---|
| 運転者認証 | 顔認証(自動) | |
| データ閲覧 可能な人 |
管理者 | 運転者 |
| アルコール チェック |
連携・一元管理 | |
| プラン | 購入 | レンタル |
| トライアル | 2ヶ月可 (台数による) |
|
特徴
- 精度の高いAIが本当に危険な運転だけを検出・可視化。管理者の確認負荷を減らし効果的な指導ができる。機能は随時追加。
- 他製品には少ない「本人への週次レポート通知」により、運転者の自覚を促し安全意識を高め、未然の事故防止を実現する。
運営会社
GOドライブ株式会社
| 管理範囲 | 動態管理 | 安全管理 |
|---|---|---|
| 運転者認証 | 顔認証(自動) | |
| データ閲覧 可能な人 |
管理者 | 運転者 |
| アルコール チェック |
連携・一元管理 | |
| プラン | 購入 | レンタル |
| トライアル | 可能 (台数による) |
|
特徴
- 一般的なAIドラレコは20km/h(※1)前後が限界とされる中、8km/h(※2)の低速でも携帯保持や喫煙を高精度に検知。 リスクを早期に可視化。
- 全世界から集めた50億(※3)km超の走行データでAIが進化。自社開発のハードが常にAIの最新アルゴリズムに対応し、導入後も高精度な安全管理を長期に実現。
運営会社
Nauto Japan合同会社
| 管理範囲 | 動態管理 | 安全管理 |
|---|---|---|
| 運転者認証 | 免許証 | |
| データ閲覧 可能な人 |
管理者 | 運転者 |
| アルコール チェック |
オプション | |
| プラン | 購入 | レンタル |
| トライアル | 2週間可 | |
特徴
- 安全管理の「Safety」、動態管理の「NEXT」、アルコールチェック、物流・バス向けなど、必要に応じて連携が可能。
- AIで危険運転を警告し事故回避をサポート、日常運転も含めた全走行データを収集、事故や危険運転の映像を直ちに再生可能。
運営会社
NTTドコモビジネス株式会社
(※1)参照元:LINEヤフー公式サイト
https://minkara.carview.co.jp/userid/3358572/blog/45150239/
(※1)参照元:電子情報通信学会公式サイト
https://www.ieice.org/publications/conference-FIT-DVDs/FIT2011/data/pdf/I-014.pdf
(※1)参照元:国土交通省公式サイト
https://www.mlit.go.jp/road/tech/pdf/catalog-hosou0030.pdf
(※2)参照元:「nauto」公式サイト
https://nauto.jp/service/road-safety
(※3)参照元:「nauto」公式サイト
https://nauto.jp/

