AIドラレコは逆走対策に活用できる?
社用車ドライバーの逆走は他人事ではない
全国の高速道路では、逆走がおおむね2日に1回の頻度で発生しています。2023年の逆走事案224件のうち65歳以上が68%を占める一方、30歳未満が9%、30〜65歳未満が23%と、現役世代のドライバーも約3割にのぼります。
また、逆走事故は死亡事故となる割合が高速道路の事故全体の約38倍と、ひとたび起これば重大な結果を招きやすいのが特徴です。業務で毎日のようにハンドルを握る社用車ドライバーにとっても、逆走は決して他人事ではありません。
参照元:NEXCO西日本(https://www.w-nexco.co.jp/safety_drive/highway_rule/reverse/one-way/status.html)
一方通行の逆走を行いがちなドライバーの心理
「少しだけなら」「バックなら大丈夫」という軽視
一方通行の道で目的地を行き過ぎたとき、「少しだけなら」「バックで戻れば大丈夫」と考えてしまうドライバーは少なくありません。
しかし、一方通行の規制に逆らって進む行為は、バックであっても、距離が短くても逆走にあたり、道路交通法上の違反となります。一方通行の道路は対向車が来ない前提で設計されているため、後退してくる車に周囲のドライバーや歩行者が対応しきれず、事故に直結するおそれがあります。
「自分は間違えない」という過信と慣れ
運転に慣れたドライバーほど「自分が間違えるはずがない」と思い込みやすく、その油断が案内標識の見落としや読み違いを招きます。進入禁止や一方通行の標識が見づらい位置にある場所や、夜間・悪天候時には、ベテランでも誤って進入してしまうケースがあります。
さらに疲労や慣れない道路状況が重なると、一時的な判断ミスや思い込みも起きやすくなります。
道を間違えたときの焦りと強引なリカバリー
目的の出口を通り過ぎたり、ジャンクションで進路を誤ったりすると、慌てて強引にリカバリーしようとして逆走してしまうケースがあります。これは年齢を問わず起こりやすいミスです。
ナビの案内を信じ込み、実際の標識を確認しないまま進んでしまうことも原因の一つです。高速道路でも、目的のICを過ぎてしまい、本来出るはずだったランプに戻ろうとして故意に逆走する例が見られます。
訪問先への遅刻を避けたい、次の予定が迫っているといった業務中ならではの焦りは、こうした無理な判断を後押ししかねません。
社用車の逆走が発覚した場合の会社への影響
ドライバー個人への罰則(違反点数・反則金)
一般道で一方通行を逆走すると「通行禁止違反」となり、違反点数2点、反則金は普通車で7,000円(大型車は9,000円)が科されます。
高速道路などで逆走した場合は「通行区分違反」にあたり、違反点数2点・反則金9,000円(普通車)です。
さらに、逆走が原因で人を死傷させた場合は、原則として過失運転致死傷罪(7年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)に問われます。悪質な場合は、より重い危険運転致死傷罪が適用されることもあります。
参照元:Motor Fan(https://motor-fan.jp/headline/1232237/)
参照元:くるまのニュース(https://kuruma-news.jp/post/909917)
参照元:弁護士法人デイライト法律事務所(https://www.daylight-law.jp/criminal/koutsu/jinshin/)
事故につながれば会社も使用者責任・運行供用者責任を負う
従業員が業務中に社用車で事故を起こした場合、会社は民法第715条の「使用者責任」と、自動車損害賠償保障法第3条の「運行供用者責任」を負います。賠償責任は従業員と会社の連帯責任となり、運行供用者責任では人身事故の場合、被害者は過失を証明しなくても会社に損害賠償を請求できます。
また、業務時間外に社用車を無断で私的利用した場合でも、社用車は外観から業務中かどうかを判断しにくいため、会社の責任が問われることがあります。
参照元:iTSCOM for Business(https://www.itscom.co.jp/forbiz/column/office-environment/13244/)
SNS拡散による社会的信用の失墜
社名入りの車両による違反は、事故に至らなくてもSNSで瞬時に拡散されるリスクがあります。実際に、信号機のない横断歩道で一時停止しない商用車の映像がSNSに投稿されて炎上し、企業が即日Webサイトで謝罪を余儀なくされた例もあります。一方通行の逆走も、目撃者に撮影されれば同じ事態に発展しかねません。
参照元:ビジネス+IT(https://www.sbbit.jp/article/sp/153501)
逆走対策に効果的なAIドラレコの特徴
リアルタイム警告でドライバーにその場で気づかせる
AIドラレコは、録画した映像をAIが分析し、危険運転やその兆候をリアルタイムで検知してドライバーに注意を促します。脇見など危険度の高い運転を検知した際にその場でアラートを出す機能は、逆走の引き金になりやすい注意力の低下を防ぐうえでも有効です。
なお車両側でも、カメラで道路標識を読み取り、車両進入禁止の区域に入るとメーターのアイコンを点滅させて知らせる技術が実用化されています。カメラの映像から危険を検知してドライバーに伝えるという点で、AIドラレコと同じ考え方の仕組みです。
参照元:アスピック(https://www.aspicjapan.org/asu/article/13441)
参照元:Honda(https://www.honda.co.jp/ownersmanual/webom/jpn/stepwgn/2026/details/136258090-43403.html)
通行禁止箇所への侵入を自動で抽出・動画保存できる
法人向けサービスの中には、ドラレコの走行データ(GPSの位置情報など)を地図データと照合し、通行禁止箇所への侵入や一時不停止、速度超過が発生した可能性のある場面を自動で検出するものがあります。
違反の疑いがある日時や内容、件数が一覧で表示され、該当場面の映像も取得できます。そのため管理者は全映像を見返す必要がなく、一方通行の逆走のような違反の疑いがある場面だけを確認して、映像をもとに具体的な指導へつなげられます。
また、AIがリスク運転を検知すると管理者へメールなどで通知されるため、ドライバーへのフィードバックも迅速に行えます。
参照元:Car Watch(https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1315133.html)
参照元:アスピック(https://www.aspicjapan.org/asu/article/13441)
運転スコアで逆走リスクの高いドライバーを特定できる
違反の疑いの検出数をもとにドライバーをランキング表示し、検出が頻発しているドライバーを特定できるサービスがあります。
危険行動の度合いに応じて減点する評価モデルで運転をスコア化する製品もあり、逆走リスクの高いドライバーから優先的に指導できます。
参照元:Car Watch(https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1315133.html)
参照元:アスピック(https://www.aspicjapan.org/asu/article/13441)
逆走対策を目的としたAIドラレコの選び方
検知できる危険運転・違反の種類と精度を確認する
AIドラレコは製品によって、検知できる危険運転の種類やカメラの構成、設置方法が異なります。
また、カメラによる標識認識は、夜間や雨・霧・雪などの悪天候時、標識が汚れていたり隠れていたりする場合には正しく認識できないことがあります。地図データとの照合による検出に対応しているかもあわせて確認しましょう。
安全指導に使えるレポート・振り返り機能があるか
導入効果を高めるには、検知した結果を安全指導に活かせるかが重要です。ドライバーごとに運転内容をレポート化できれば、一人ひとりのクセをふまえた効率的な指導ができます。「リスク運転回数◯回まで」といった具体的な目標を設定し、チームで取り組める機能があるかも確認しておきましょう。
導入タイプと料金体系を比較する
AIドラレコには、単体で導入する専用型と、車両管理システムの一機能として提供される搭載型があります。利用料は1台あたり月額1,000〜3,000円程度が一般的です。本体は買い取りかレンタルかを選べ、長期利用なら買い取り、初期費用を抑えたいならレンタルが向いています。
参照元:アスピック(https://www.aspicjapan.org/asu/article/13441)
まとめ
社用車の逆走は、「少しだけなら」という軽視や過信、業務中の焦りから誰にでも起こり得ます。違反点数や反則金だけでは済まず、事故になれば会社も使用者責任・運行供用者責任を負い、SNSでの拡散によって信用を失うおそれもあります。
逆走対策には、リアルタイム警告でドライバーに気づかせ、違反の疑いがある場面を自動で抽出できるAIドラレコが有効です。検知できる違反の種類やレポート機能、料金体系を比較し、自社に合った製品を選びましょう。
AI 搭載ドラレコ 3 選
これからの車両管理システムには、安全管理機能が必須です。
そこで、ここではすでに多くの企業で導入されている3つのAI搭載型のドライブレコーダーを紹介します。
それぞれタイプが異なるので、導入の参考にしてください。
| 管理範囲 | 動態管理 | 安全管理 |
|---|---|---|
| 運転者認証 | 顔認証(自動) | |
| データ閲覧 可能な人 |
管理者 | 運転者 |
| アルコール チェック |
連携・一元管理 | |
| プラン | 購入 | レンタル |
| トライアル | 2ヶ月可 (台数による) |
|
特徴
- 精度の高いAIが本当に危険な運転だけを検出・可視化。管理者の確認負荷を減らし効果的な指導ができる。機能は随時追加。
- 他製品には少ない「本人への週次レポート通知」により、運転者の自覚を促し安全意識を高め、未然の事故防止を実現する。
運営会社
GOドライブ株式会社
| 管理範囲 | 動態管理 | 安全管理 |
|---|---|---|
| 運転者認証 | 顔認証(自動) | |
| データ閲覧 可能な人 |
管理者 | 運転者 |
| アルコール チェック |
連携・一元管理 | |
| プラン | 購入 | レンタル |
| トライアル | 可能 (台数による) |
|
特徴
- 一般的なAIドラレコは20km/h 前後が限界とされる中、8km/h(※1)の低速でも携帯保持や喫煙を高精度に検知。 リスクを早期に可視化。
- 全世界から集めた50億(※2)km超の走行データでAIが進化。自社開発のハードが常にAIの最新アルゴリズムに対応し、導入後も高精度な安全管理を長期に実現。
運営会社
Nauto Japan合同会社
| 管理範囲 | 動態管理 | 安全管理 |
|---|---|---|
| 運転者認証 | 免許証 | |
| データ閲覧 可能な人 |
管理者 | 運転者 |
| アルコール チェック |
オプション | |
| プラン | 購入 | レンタル |
| トライアル | 2週間可 | |
特徴
- 安全管理の「Safety」、動態管理の「NEXT」、アルコールチェック、物流・バス向けなど、必要に応じて連携が可能。
- AIで危険運転を警告し事故回避をサポート、日常運転も含めた全走行データを収集、事故や危険運転の映像を直ちに再生可能。
運営会社
NTTドコモビジネス株式会社
(※1)参照元:「nauto」公式サイト
https://nauto.jp/features/distracted-driving
(※2)参照元:「nauto」公式サイト
https://nauto.jp/