ドラレコに搭載されている運転評価機能とは
社員の安全運転指導に悩む担当者へ、AIドラレコの運転評価機能の仕組みと活用法を解説します。
ドラレコの運転評価機能とは
AIが運転行動を検知してスコア化する仕組み
運転評価機能とは、ドライブレコーダーに搭載されたAIがカメラ映像や各種センサーのデータを解析し、ドライバーごとの運転傾向をスコアやレポートとして可視化する機能です。
危険運転を検知すると管理者へ通知したり、運転のクセや改善ポイントをまとめたレポートを自動で作成したりできます。
評価方法は製品によって異なります。運転のなめらかさ、急操作の回数、速度超過といった複数の指標を組み合わせ、100点満点で総合評価するタイプもあります。
参照元:アスピック(https://www.aspicjapan.org/asu/article/13441)
参照元:財経新聞(https://www.zaikei.co.jp/releases/3245905/)
評価の対象となる主な運転行動
従来型のドライブレコーダーは、急加速や急ブレーキなどで一定以上の加速度(衝撃)を検知したときの映像を記録する仕組みが中心です。この方式では、信号無視、わき見運転、車間距離不保持、一時停止線無視など、急な加速度が発生しない危険運転は把握できません。
AIドラレコであれば、車外カメラで一時不停止や車間距離の詰めすぎを、車内カメラでわき見や居眠りを検知できます。そのため、急操作以外の運転行動も評価の対象になります。
参照元:国土交通省「ドライブレコーダーの映像を活用した指導・監督マニュアル(案)」(https://www.mlit.go.jp/common/001170993.pdf)
参照元:LOGISTICS TODAY(https://www.logi-today.com/688826)
ドラレコの運転評価機能を活用するメリット
客観的な基準で納得感のある安全指導ができる
「もっと安全運転を心がけて」といった曖昧な注意だけでは、ドライバーは指導を自分ごととして受け止めにくく、効果も限られがちです。
運転評価機能を使えば、危険運転の回数やスコアといった定量的なデータと実際の映像をもとに、明確な基準で指導できます。どの場面のどの運転が問題だったのかを具体的に示せるため、ドライバーが納得しやすく、意識改革にもつながります。
事故を起こしそうなドライバーを早期に見つけられる
事故防止策としては、事故を起こした人に個別指導するのが一般的です。しかし、事故を起こした人は「氷山の一角」にすぎません。危険な運転を繰り返している人が、次の事故を起こす可能性があります。
運転評価のデータを使えば、急操作やリスク運転の回数が多い人を抽出し、事故の前に先回りして指導できます。ある時期から急に危険運転が増えたドライバーに早めに声をかけるなど、変化にも気づきやすくなります。
ドライバー自身が運転を振り返り安全意識が高まる
評価結果はドライバー本人にもフィードバックされるため、管理者の指導を待たずに自分の運転を振り返るきっかけになります。危険度の高い運転をその場でアラートする機能もあり、無意識のクセを直すのに役立ちます。
ある建設会社では、各ドライバーが安全運転スコアを意識するようになり、社内全体の安全意識と行動が向上しました。その結果、年平均6.2件発生していた事故が1件にまで減っています(85%減)。
参照元:アスピック(https://www.aspicjapan.org/asu/article/13441)
参照元:厚生労働省 東京労働局(https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/002761264.pdf)
安全運転管理者の業務負担を軽くできる
安全運転管理者には、運転者の運転適性や安全運転に関する技能・知識、法令の遵守状況を把握したうえで、必要な安全運転指導を行う義務があります。
しかしドライブレコーダーを導入した事業者への調査では、使用上の問題点として「データ管理のための業務負担増」を挙げた割合が68.6%にのぼりました。評価機能で指導が必要な運転や人を絞り込むことができれば、映像確認の手間を減らし、法定業務を効率よく進められるでしょう。
参照元:静岡県警察(https://www.pref.shizuoka.jp/police/shinse/kotsu/kanrisha/gyomu.html)
参照元:LOGISTICS TODAY(https://www.logi-today.com/154073)
運転評価機能の効果的な活用方法
スコアと映像を使って個別指導・フォローアップを行う
個別指導では、管理者が問題点を一方的に伝えるのではなく、映像を一緒に見ながら本人に問題点と原因を考えてもらうことが大切です。
本人は「できていた」と思っていても、実際にはできていなかったという認識のずれを、映像で修正できます。指導後は1~2週間を目安に再び映像やスコアを確認し、改善できているかをチェックしましょう。改善が見られない場合は、指導が反映されるまで繰り返しフォローが可能です。
引用元:国土交通省「ドライブレコーダーの映像を活用した指導・監督マニュアル(案)」(https://www.mlit.go.jp/common/001170993.pdf)
チーム・個人ごとに具体的な目標を設定する
運転評価のデータがあれば、「事故ゼロを目指そう」といった漠然とした目標ではなく、「リスク運転回数〇回まで」「全員〇点以上」のような数値目標を設定できます。
目標が明確になると達成度を測りやすくなります。チーム内でお互いの運転動画やレポートを確認し合えば、目標達成に向けて主体的に取り組む雰囲気も生まれます。
ランキングや表彰で前向きな競争を促す
運転状況を点数化し、個人別や組織別のランキングで表示すると、同僚と比較し合うことで安全運転への意識が高まります。
ある物流会社では、協力会社の車両に導入した直後の1か月で、6,000件以上のリスク運転が検知されました。そこで、スコアが上下するたびに声をかけ、良いときは積極的に褒め、年間でスコアが高かった人を表彰する取り組みを続けました。その結果、リスク運転は100件を割るまで減少しています。
参照元:富士通(https://info.archives.global.fujitsu/jp/news/2016/02/9a.pdf)
引用元:LOGISTICS TODAY(https://www.logi-today.com/688826)
ヒヤリハットや好事例の映像を社内研修で共有する
評価で抽出したヒヤリハットの映像や、模範となる安全な運転の映像は、社内研修の教材として活用できます。研修は、映像を見ながら運転者に危険な点を発言してもらう参加型で進め、管理者は最後に解説するのが効果的です。
映像を使う際は、映っている本人に事前に説明し、モザイク処理を施すなどの配慮も欠かせません。
運転評価機能を導入・運用する際の注意点
導入目的を丁寧に説明し「監視」と受け取られないようにする
運転評価機能を導入すると、ドライバーから「監視されている」と反発が出ることがあります。ドライブレコーダーを導入した事業者への調査でも、車内映像や音声の記録について運転者の理解が得られないことを課題に挙げた割合は21%でした。
前述の物流会社でも、導入当初は反発が大きかったといいます。それでも地道な声かけを続け、安全運転が正しく評価されることを周知し続けた結果、現場に受け入れられていきました。導入前に目的を丁寧に説明することが重要です。
参照元:LOGISTICS TODAY(https://www.logi-today.com/154073)
参照元:LOGISTICS TODAY(https://www.logi-today.com/688826)
スコアだけで判断せず背景や原因も確認する
映像やスコアからわかるのは、車間距離不足やわき見といった直接的な原因までです。その背景には、急ぎや焦り、スケジュールの遅れなど、映像では見えない要因が隠れていることが多くあります。
本人との対話で踏み込んで確認しましょう。また、「なぜこのスコアなのかわからない」とならないよう、評価項目や基準を本人と共有しておくことも大切です。
人事評価に組み込む場合は評価の考え方を周知する
運転評価の点数を人事評価に組み込む方法もあります。ある宅配会社では、評価点を従業員の評価項目に加え、高得点であれば営業成績を5%伸ばしたのと同程度の評価が得られる仕組みにしました。これにより、社内の安全運転意識は大幅に向上しています。
ただし、運用にあたっては、減点や罰則のための制度ではなく、安全運転を正当に評価するための制度であることも社内へ周知することが大切です。
参照元:LOGISTICS TODAY(https://www.logi-today.com/688826)
まとめ
ドラレコの運転評価機能は、AIが運転行動をスコア化することで、客観的な基準に基づく安全指導や、事故リスクの高いドライバーの早期発見を可能にします。
効果を高めるには、映像を使った個別指導、数値目標、ランキングや表彰などを組み合わせることが大切です。そのうえで、「監視」のためではなく、安全運転を正しく評価する仕組みとして運用しましょう。
AI 搭載ドラレコ 3 選
これからの車両管理システムには、安全管理機能が必須です。
そこで、ここではすでに多くの企業で導入されている3つのAI搭載型のドライブレコーダーを紹介します。
それぞれタイプが異なるので、導入の参考にしてください。
| 管理範囲 | 動態管理 | 安全管理 |
|---|---|---|
| 運転者認証 | 顔認証(自動) | |
| データ閲覧 可能な人 |
管理者 | 運転者 |
| アルコール チェック |
連携・一元管理 | |
| プラン | 購入 | レンタル |
| トライアル | 2ヶ月可 (台数による) |
|
特徴
- 精度の高いAIが本当に危険な運転だけを検出・可視化。管理者の確認負荷を減らし効果的な指導ができる。機能は随時追加。
- 他製品には少ない「本人への週次レポート通知」により、運転者の自覚を促し安全意識を高め、未然の事故防止を実現する。
運営会社
GOドライブ株式会社
| 管理範囲 | 動態管理 | 安全管理 |
|---|---|---|
| 運転者認証 | 顔認証(自動) | |
| データ閲覧 可能な人 |
管理者 | 運転者 |
| アルコール チェック |
連携・一元管理 | |
| プラン | 購入 | レンタル |
| トライアル | 可能 (台数による) |
|
特徴
- 一般的なAIドラレコは20km/h 前後が限界とされる中、8km/h(※1)の低速でも携帯保持や喫煙を高精度に検知。 リスクを早期に可視化。
- 全世界から集めた50億(※2)km超の走行データでAIが進化。自社開発のハードが常にAIの最新アルゴリズムに対応し、導入後も高精度な安全管理を長期に実現。
運営会社
Nauto Japan合同会社
| 管理範囲 | 動態管理 | 安全管理 |
|---|---|---|
| 運転者認証 | 免許証 | |
| データ閲覧 可能な人 |
管理者 | 運転者 |
| アルコール チェック |
オプション | |
| プラン | 購入 | レンタル |
| トライアル | 2週間可 | |
特徴
- 安全管理の「Safety」、動態管理の「NEXT」、アルコールチェック、物流・バス向けなど、必要に応じて連携が可能。
- AIで危険運転を警告し事故回避をサポート、日常運転も含めた全走行データを収集、事故や危険運転の映像を直ちに再生可能。
運営会社
NTTドコモビジネス株式会社
(※1)参照元:「nauto」公式サイト
https://nauto.jp/features/distracted-driving
(※2)参照元:「nauto」公式サイト
https://nauto.jp/